ぎっくり腰は動かして治す?
ぎっくり腰でご来院の皆様から、よくいただくご質問
<ご質問!>
「ぎっくり腰の時は動かした方が良いって聞いたことあるけど、ホントの所はどうなんですか?」
・結論!
「痛いけど、少しは動ける」という方は
無理のない範囲で日常生活を過ごしましょう。
しかし「少しでも動くと、凄い激痛!」という方は
発生後3日は冷やしながら安静
4日目から無理のない範囲で
日常生活を過ごされる事をお勧めいたします。(ページ下[補足1]参照)
研究データ
1995年、フィンランド労働衛生研究所で
急性腰痛(ぎっくり腰)患者186名を2日間、
以下の3つの群にわけ、その後の経過を調査しました。
・安静群
・ストレッチ群
・痛みに耐えられる範囲内で日常生活を過ごす群
その結果、もっとも早く回復したグループは、無理がない程度に動いたグループであり、
もっとも回復が遅かったのが、安静にしたグループでした。(J Neurosci. 2011 May 18;31(20):7540-50.)
また、「腰痛診療ガイドライン(2012)」という本にも、以下のように明記されています。
安静は必ずしも有効な治療とは言えない。
急性腰痛に対して痛みに応じた活動性維持は、
ベッド上安静よりも疼痛を軽減し、機能を回復させるのに有効である。
|参考文献リンク|(腰痛診療ガイドライン 2012 監修 日本整形外科学会/日本腰痛学会)
読み解く
上記の研究結果のように、ぎっくり腰の時は
痛みに耐えられる範囲内で日常生活を過ごす事が
回復が早いと言われております。
ココで大切なポイントとなるのが次の2点!
・痛みに耐えられる範囲で!
・日常生活を過ごす!
ですので、激痛なのに無理をしたり、頑張って動きすぎるのはお勧めできません。
あくまで痛みに耐えられる範囲で日常生活を過ごす事が大切です。
まとめ
今回のテーマ、「ぎっくり腰は動かして治す?」ですが
コチラの質問の答えは 「NO!」 です。
ぎっくり腰は動かして治すのではなく
耐えられる範囲で日常生活を過ごすと治りが早いというのが正確な話です。
間違った解釈で、「痛いけど早く治したいから我慢して、頑張って動かさなきゃ!」となると
悪化する可能性も高まり、大変危険ですのでご注意ください!
[補足1] 激痛時の3日間安静について
記事の冒頭にて、ぎっくり腰発生時、「少しでも動くと、凄い激痛!」という方は
3日間は冷やして安静、4日目から無理のない範囲で
日常生活を過ごされる事をお勧めいたしました。
3日間というのは急性痛のなかでも、特に強い痛みを感じる時間を目安としております。
ぎっくり腰は腰の捻挫とも呼ばれ、基本的には怪我となり、怪我をしている個所は炎症を起こしております。
この炎症、強い炎症の場合もあれば、弱い炎症の時もあるのですが
平均すると1週間前後で収まるといわれており、
その中でも強い炎症の期間は48~72時間と言われております。
ですので、少しでも動くと激痛で辛い方は、強い炎症が収まる72時間は
冷やしながら安静にした方が良いと、私は考えております。
そのあと、痛みに耐えられる範囲から日常生活を過ごされる事をお勧めいたします。
[補足2] ぎっくり腰の再発防止
ぎっくり腰は再発防止が大切です。 もちろん、一度でもぎっくり腰の経験がある方は
「あんな痛い思い、二度と嫌だ!」と思われる方も多いかと思います。
しかしそれでも、ぎっくり腰を繰り返される方がいらっしゃいます。
ぎっくり腰がクセになるか、1度だけで終わらせる事が出来るか
元々、ぎっくり腰になった原因も大きく影響してまいりますので
ここで、お勧めの方法を紹介することは難しいのですが
大切な事を一つだけ・・・
腰痛や、ぎっくり腰の再発を怖がって
腰に対して過保護になる事は、悪循環になりますのでご注意ください。
ぎっくり腰の予防や、過保護の悪循環について
後日、詳しくお話させて頂きたいと考えておりますので宜しくお願い致します。
[補足3] 整体の適応範囲
ぎっくり腰、発生後4日目以降は
整体の適応範囲となっております。
もちろん、ぎっくり腰発生から
1~2ヶ月経過した痛みにも対応いたします。
お辛い痛みの早期改善に向けて
出来る限りの施術をさせて頂きますので
お気軽にご相談くださいませ!
※1、再発防止まで含めてご相談を承ります。
※2、発生3日間以内でも、少しであれば改善の可能性はごさいます。