腰痛の85%は原因不明?
皆様は「腰痛の85%は原因不明」との言葉を聞いたことがございますか?
健康情報番組でも腰痛がテーマをなる時は
よく引き合いに出されるので
ご存じの方も多いかもしれませんね!
当院でも腰痛にお悩みの皆様から
この情報についてのご質問をいただく事が多くございます。
特に多いのが次のご質問!
「原因不明なら私の腰痛はずっと続くの?」
そんな不安をお持ちの皆様に
正しい認識をお持ちいただきたく
記事にしてみました!!
そもそもの始まり
腰痛の85%が原因不明と言われ始めた背景には
「腰痛診療ガイドライン 2012」という本がございます。
診療ガイドラインというくらいですので
根本的にはお医者様向けの本なのですが
この本の13ページに次のような文がございます。
非特異性腰痛は、明らかな原因のない腰痛を総称する言葉である。
下肢症状を伴わない腰痛の場合、
その85%では病理解剖学的な診断を正確に行うことは困難である。
この文面から85%の腰痛は正確な診断が困難なので
それらの腰痛は「原因不明」と言われるようになりました。
ここで私の以前からの疑問なのですが
本当に「診断が困難 = 原因不明」でしょうか?
私の勉強不足であれば大変申し訳ないのですが
この本の中で「診断が困難」と書かれてはあっても
「原因不明」という言葉を見つける事が私には出来ませんでした。
ちなみに、今回の話にございます
「腰痛診療ガイドライン」ですが
「2019改訂第2版」が発行されておりまして、次のような文面がございます。
腰痛の原因として、狭窄症、椎間板ヘルニア、
仙腸関節性、筋・筋膜性、椎間板性などの原因があげられ、
これらの原因が腰痛の75%を占め、診断可能である
約7年の間で診断可能な範囲が、15%から75%に上がっています。
<参考文献>
「原因」の「原因」を考える
さてここで、先程のご質問にお答えします。
Q、原因不明なら私の腰痛はずっと続くの?
A、「原因」の「原因」によって変わります。
「原因」の「原因」とは何でしょうか?
「原因」の「原因」
腰痛の原因とは、根本的な痛みの原因の事となり
「ヘルニア」や「狭窄症」、「筋・筋膜性疼痛」や「心因性腰痛」などの事です。
これらは、腰が痛みを感じる原因となるのですが
ではなぜ、これらの症状が引き起こされたのでしょうか?
・普段から腰に負担の大きいお仕事をされているから?
・姿勢が悪かったり運動不足だから?
過度な運動でも腰痛になることがありますね!
それらが「原因」の「原因」です。
当院の場合、「筋・筋膜性疼痛」による腰痛と
「心因性腰痛」が基本的な適応範囲となりますが
今、感じていらっしゃる腰痛だけではなく
将来を見据えた改善のため、「原因」の「原因」についても考え
今後の対策をご提案させていただいております。
まとめ
今回は腰痛の原因について、お話をさせて頂きました。
最近は健康情報番組も含め、情報過多な時代となっており
必要以上に不安を感じていらっしゃる方もお見かけします。
現在では健康情報の取捨選択能力について
「ヘルスリテラシー」という言葉もあるくらいですが
過度な健康情報に触れる前に
「ヘルスリテラシー」を高めてみては如何でしょうか?
おススメ情報(^^)/
放送大学、公開ラジオ講座「健康への力の探求」という科目の
第7回と第8回でヘルスリテラシーについて学べます♪
|<健康への力の探求>|
放送大学の講師で聖路加国際大学教授の 中山 和弘 先生が
「企画・運営・編集」されております「健康を決める力」というサイトもおススメです。
|<健康を決める力>|